前回までは、「声の出る仕組み」を知って、声を磨いていくためのコツをお話してきました。
今回からは、発声した声を、聞き取りやすく綺麗に発音するための「発音の基礎」をお伝えしていきます。
まず、これまで学んできた「発声」と、「発音」の違いについて説明します。
「発声」は、「呼吸」によって、肺から気管を通って息を吐き出し、「声帯」を振動させて、喉や胸で《共鳴》響かせて声をだすこと。
また「発音」は、発声の最終段階で、口や唇の形、舌の位置など、調音の方法によって、言語を認識できる音を作り出すことです。
今回は、発音の要「滑舌」についてお話していきます。
日本語の音は「母音」と「子音」でできていますが、綺麗に発音するためには、「あ・い・う・え・お」の母音の発音が重要になってきます。
母音をしっかりと出せるように、先ずは口の形を意識して発音をしてみましょう。
ただし、口を開けすぎたり、閉じすぎたりしても滑舌は悪くなってしまします。
顔や頬の筋肉を鍛えるため、大きく口を開けて発声練習することも大事なのですが、滑舌の練習の時は口を大きく開けることを意識しすぎないようにしてください。
顔、口に力を抜いてポカンと口を開けてください。
それ以上大きく口を開けないようににして口元を動かしていきます。
普段、話す時の口の開き具合を意識してください。
では、母音の発音を練習してみましょう!
軽く口を開けたところから縦に開くことを意識してください。
「あ」の発音より、やや横に口を広げます。
「え」よりもさらに口を横に開きます。
「あ」の発音より口を尖らせます。
「お」よりも唇をすぼめます。
次に、母音をハッキリ発音するためのトレーニングをしてみましょう。
言葉を母音だけで発音する方法です。
例えば「明日は、晴れるでしょう」という文章を母音のみで発音します。
あいああ、あえうえおー
次に、元の言葉で発音します。
あしたは、はれるでしょう
これを繰り返します
それでは、もう少し長い文章にもチャレンジしてみましょう。
寝る前に本を読むのが習慣だ
えうあえい おんおおうおあ うーあんあ
寝る前に本を読むのが習慣だ
母音を練習することで、口や喉の開きを適切に身につけられるため、音をキレイに発音しやすくなります。
今回は、きれいに発音するために重要となる「滑舌」についてお話してきました。
次回は、言葉を聞き取りやすくスムーズに発音する「母音の無声化」についてお伝えします。